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雑カヴァ「ワインレッドの心」
 
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原曲:「ワインレッドの心」安全地帯(1983年)
カヴァー:Tets.K
アレンジ:ベースとドラムは再現、他はエレピに統一
 
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 有名曲ながら、何故かこれまでに全く接点がなかった(テレビで観た事がないとか、所有CDに入っていないとか、バンドで取り上げなかったとか)ので、この機会に覚えてみようと選択。初期安全地帯と言えばコレか「恋の予感」であるが、こっちの方が好みだった。

 安全地帯は元々井上陽水のバックバンドだったそうで、初期は曲を玉置浩二が書き、歌詞を陽水に書いてもらう形が多い。またこの時点ではメロディーや歌唱法にもなんとなく陽水の影響が感じられる。私は妹との会話で「陽水の弟子みたいなもんだよ」と一言で言い表したりした。
 しかし見事独り立ちし活躍できたのは玉置氏にもしっかり才能があったという事である。

 演奏はギターが何種類も重ねられている(安全地帯はギタリスト2人)。音楽的にはテンションがそこそこ入っていて80年代としてはちょうどいいオシャレさであったろう。
 そのテンションのせいでちょっとコードがはっきりしない。バンド編成ならいいが、アコギのストロークでは感じが出ないかもしれない。
 例えばEm(7 9)というのはキラキラーッと鳴っているギターが7thと9thを含んでいるのだが、ストロークで全部弾いてしまうとちょっと暗すぎたりする。
 またBメロの2つ目とサビの2つ目のコード解釈も難しい。巷の楽譜では単に「D」になっているものが多いが、鳴っている音からすると断じてDではない。それなのにストロークで弾くとオンコードが合わずDの方が合ってしまうのが悔しい。
 ベースの動きで雰囲気を出している箇所が多いのもストロークと相性が悪い原因となる。

 井上陽水氏による歌詞は素晴らしい。口説き文句だが、微妙に普通では使わない表現でロマンチックに持って行くのが凄い。

 歌唱は厳密に音程が正確なわけではないが、全く気にならない。それよりも部分部分に味があって気持ち良い。こういうのをセンスがあるというのか、「上手い」と言ってしまいそうになる。
 「柔らかい」部分は単に声質を柔らかく出しているだけでなく、音程のスライドも3分の1音など緩やかにしているのではないか。それが(音程を聴き取れない人にも)「柔らかい印象」になるのである。真似してみて非常に勉強になった。(真似しすぎてやたらと柔らかくなってしまったが)

 今回はオケにしてみたが、聞こえる音を鍵盤楽器に押し込んでいるのは前回と同じである。ギター独特の感じは全く出ないが、大体の雰囲気を再現した。このエレピの音源はIndependenceで、プラグインを使ってちょっとだけ左右に広げている。
 ベースとドラムのフレーズはほぼそのまま。
 ギターソロは勉強のため少しだけ凝って打ち込んでみた。KONTAKTの音はまあまあだが、処理能力をやたらと食って大変だった。ラストのディストーションでないソロは省略
 BPMは120.3でレコーディングしたが、正確にはもう少しだけ早いかもしれない。120.31くらいか(聴いたってわかる差ではないが)。元音源も当然クリック録音と思われる。

 キーは原曲通り。この曲は本人ですらテレビ出演やライブではキーを1つ下げて歌っていたそうである。確かに、最高音Gシャープは多くの男性にはちょっと苦しい。私も苦しかった

 陽水氏によるセルフカヴァー版が存在するらしいが、未入手。
 
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