「山賊ダイアリー」岡本健太郎

2014年3月5日

「山賊ダイアリー リアル猟師奮闘記」岡本健太郎 [wiki]
既刊4巻読了。現在も連載中。

「山賊」とついているが、本来の意味の山賊(旅人を襲うとか)ではない。「猟師」のエッセイ漫画である。(デート相手に「さようなら山賊さん」と振られたのが由来だろうか?)

作者は今時の若者で、空気銃(ポピュラーな散弾銃より威力は弱いが、これはこれで魅力があるらしい)と罠(主にイノシシを狙う)を2009年に扱い始めたばかりの初心者猟師である。(主な収入がなんなのかよくわからないが)

人によって評価は大きく分かれる作品であろう。やはり男子としては猟というのはなんだかワクワクするから超面白い! とか、女性だと興味が全然湧かなかったりとか、絵がそんなに精緻ではないのでそこがマイナスポイントとか。

ネット上ではデイリーポータルZというサイトにて平坂 寛さんというライターのかたがいろんな物を捕って食べている。(一覧)
それらの記事が元々好きだった私は、ちょっとテイストの似たこの山賊ダイアリーも一発で気に入ってしまった。

他に猟師のサイトなんかもあるが、参考:ちはるの森
解体の様子が生々しく写真になっているとさすがに引いてしまう。漫画で表現されているとちょうどいい。

絵柄は前述の通り細密ではなく「軽い」感じである。良く言えばかわい気のある絵柄・表現。イノシシの反撃に腰が抜けてしまって、「転がって逃げました」のところなんかは、あまりに簡便な絵で逆に微笑んでしまった。

この世界が未知の読者のために、話は非常に丁寧に描かれている。語り口もですます調で優しい。
1巻では免許の取り方なども詳しく説明しているし、猟の内容から、捕れた後どう食べるか? の結末の部分まで。読んでいると無性に肉が食べたくなってくる!

狩猟期間は(執筆時点で)11月~2月。この間は漫画の掲載もほとんど休むらしい。
それもあって刊行ペースが遅いのが残念。4巻が冬に出たのに、5巻は次の秋刊行ですって。

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「百姓貴族」荒川弘

2014年2月23日

「百姓貴族」荒川弘 [wiki]
2巻まで読了。連載中。(3巻はこの執筆の数日後に発売)

『母親に「これ読んでみ」と渡すならどの漫画か?』私的ランキング1位。(次点は毎日かあさん)
バトルだとか物騒な刺激性が全くないのに、ものすごく面白いから。

この漫画はエッセイに属する。牛を擬人化した姿で登場する作者荒川弘(とその家族たち)が、家業である「北海道での農家」(酪農と畑作)ネタを繰り出す。当然、同業者以外に属する大部分の読者にとっては新鮮なネタばかり。

おそらくどんな絵柄でも描き分けられるかたであるが、この作品の場合は簡素にして十分。その中にギャグを織り込むタイミングは抜群の緩急。『誰かこの親父をハリウッドへ連れて行け!!』レベルのお父様が特にいいキャラ。

その中に厳しい現実や理不尽さをそっと織り込んでもあるのだが、描き方が上手いのでスッと頭に入ってくる。
『なんでも残さず食べます!!』と叫ぶ作中キャラのように、自分自身の食育にもなる。

いやあとにかく全エピソード面白いですよ。連載のページ数が少ないので刊行ペースが2~3年に1冊なのが残念。

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