Daft Punk「Get Lucky」


Daft Punk「Get Lucky」2013年、アルバム「Random Access Memories」からの先行シングルとしてリリース。

Chicのナイル・ロジャースは70年代の成功の後も、プロデュース業(ギターが関係ないデジタルなものまで)で成功、ずっと現役の音楽人として活動を続けていた。

そこへDaft Punkは新作に参加して欲しいというオファーを出す。歳の差は20以上。きっと若いころChicを聴いて、「憧れの人」だったのだろう。

そもそもDaft Punkはデビュー時から「テクノロジーの使い手」というイメージでやってきた。シンセ、サンプリングやヴォコーダーを駆使して斬新な音を作り上げる。ただその中に、確かにFunkyなテイストは忍ばされていた。

その彼らが2013年に発表したアルバムは、世界的なEDM(Electronic Dance Music)ブームが起こりつつある中で、意外なテイストを持ったものであった。生音中心のレコーディングで、70年代回帰風のサウンドだったのだ。

そのコンセプトにナイル・ロジャースのギターカッティングが冴え渡り、新作はカッコ良くFunkyに仕上がった。

ヴォーカルにフィーチャリングされているのはファレル・ウィリアムス。The Neptunesの片方として90年代から2000年代にかけてHipHopのトップトラックメイカーであったが、徐々にヴォーカル業にシフトしてきた人である。(最初にHipHopに歌を入れた時は「ヘタウマ」なんて言われたりしていたが)

コード進行は4つのコードをひたすら繰り返すのみ。その上にAメロ、Bメロ、Cメロとメロディーが展開してゆく。

Am C Em7 D。一聴して、マイナーのトニックから入っているように感じるため、KeyがAmで、Em7までがダイアトニックコードで、Dがセカンダリードミナントに見える。
しかし、メロディはEmのスケールで成り立っているので、Key of Em(G)のIIm→IV→VIm7→Vが本当の正体。これが、あたかも2小節ごとに転調しているように錯覚させる。
それによって、Em7が鳴った瞬間、なんとも言えない切ない響きが沸き起こるのだ。たった4つのコードなのに、これほど斬新に聴かせるとは凄い。

“We’re up all night get lucky”が最後にひたすら繰り返される歌詞は、『終わらない夜、終わらずに踊り続けたい夜』を上手く表現していると思う。

カバーするにあたっては、ファルセットを使うかどうかで違ってくる。使える男性はOriginal Keyでよいだろうが、苦手な方はだいぶ下げないといけないだろう。

終盤、ヴォコーダーによってWe’re up all night get…と歌われる箇所がある。弾き語りの場合ここは普通に歌うとつまらないので、オクターブ下とか、Rap風に処理するのもいいかもしれない。

[X=4拍]
Original Key:F♯m/Sheet:Em/Hi:e,b

【繰り返しパターン】
Am C Em7 D

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